2019/03/04

鉄道と英語:「直通運転」の英語表記と路線名の問題

先日,東横線に乗っていた時に「この列車は渋谷から先,副都心線内,Fライナー・急行です」みたいなアナウンスが流れて,これって英語でどう表現するのかなあと思いながら実際聞いたり,あるいは調べてみたりしたのだが,各社で意外と表現が違うのが面白かったので,まとめと考察を.

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東急

フォーマットは「This train will merge and continue traveling as a [種別] on the [直通先路線名] to [行き先].」

東横線の例では,「This train will merge and continue traveling as a limited express on the Minatomirai line to Motomachi-Chukagai.」である.

まあ,意味はわかるんだけど.元の日本語表現を知らない状態でこれを和訳したら絶対おかしい訳になると思う.ぐぐったら案の定表現がおかしいとかボロクソ言われていた.

都営地下鉄

日本語放送「この列車は,目黒方面,東急線直通,急行日吉行です.に対して「This is the express bound for Hiyoshi.」と直通なんてなかったかのような放送をする.面白い.

東京メトロ

副都心線でのフォーマットは「This train is the [種別] bound for [行き先] via the [直通先路線名].」

東西線では少し違って,「This train is bound for [行き先] on the [直通先路線名]」となるようだ.(東葉高速線直通の場合.JR総武線直通は言わない?)

千代田線では「This train is the [種別] bound for [行き先].」となって乗り入れ先については言及なし.これは直通先の小田急から逆にメトロに直通する場合も同様のようだ.

東武

フォーマットは「This is the [直通先路線名] direct communication, the [種別] train bound for [行き先].」

なんかもう文法的にメチャクチャすぎて逆に正しく書き起こしできた自信がない.まずdirect communicationてなんや.

西武

フォーマットは「This train is bound for [行き先]. After [境界駅名], this train will operate as a [種別].」

直通先路線名については言及しない.

JR東日本

路線によって微妙に違う模様.

総武線緩行から東西線直通の場合,「This train will continue on to the [直通先路線名] from [境界駅名].」

常磐緩行線は「This train is bound for [行き先] on the [行き先駅所在路線名].」で,小田急線まで3社直通の場合メトロについては触れないようだ.

最後にちょっと異色パターンとして,自社内他路線への直通の場合,具体的には上野東京ラインの場合は,「This is the Ueno-Tokyo Line [種別名] train for [目的地] via the [直通先路線名].」になる.そもそもの路線名は上野東京ラインで一括りにして言及しない一方で,直通先についてはviaで触れるのが興味深い.

直通運転の英語放送にみる日本の鉄道の問題点

放送機器更新や車両やそもそも私の聞き取り間違いやらで細かい違いはあるだろうが,列挙するとだいたいこのようになるようである.

まず概観すると,文法メタクソの東急と東武は論外かと.特に東武はこれで通じるのか怪しい.東急は辛うじて理解してもらえるかな……?という感じか.

英語ネイティブではないので各表現の自然さは分からないが,個人的には種別の変更に触れつつも直通先路線名については触れない西武,そしてviaを使う東京メトロとJR東日本の表現が好み.

おそらく英語ネイティブからするとどれももっさりした表現に見えるのだろうけど,それは英語力の問題と言うよりはむしろ路線の運営の仕方それ自体に問題があるように思えてならない.そもそも,特に外国人旅行客は渋谷から先の運営会社が異なることなんて心底どうでも良いはずなのだ.SuicaやPASMOで直通運転を意識することなく電車に乗れる今,直通先会社名や直通先路線に触れる必要があるような運営上の区分がそもそも実態と乖離している.

そういう意味では,上野東京ラインのような路線名ではなく系統名での表現を多用するようになれば,もう少し洗練された表現ができるようになるのかな,とも思ったりする.

あと,種別は統一したほうがもう少しすっきりするんじゃないかなあ,と.みなとみらい線からのFライナー特急は,東急線内特急,副都心線内急行,東武線直通の場合はその先急行,西武線直通の場合はその先快速急行になります!というのがまず面倒くさいわけで,であれば「Fライナー」自体を種別として採用したほうがわかりやすかったんじゃないかと.

つまり言いたいことは,路線名を系統名で整理し,種別を会社間で統一すれば英語放送ももっとすっきりするだろうし,そもそも日本人にとっても使いやすくなるんじゃないか,ということ.

いや,それにしても東急線の「This train will merge and continue traveling as a limited express on the Minatomirai line to Motomachi-Chukagai.」は,文法や意味上の問題はともかく,なんとなく語感が良くて癖になる.そういう意味では一番好みだ.

インバウンドも増えてるし,外国人にも使いやすい交通ネットワークになると良いね.

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