2018/12/11

Paypay 全額還元キャンペーンの落とし穴【Paypayで学ぶ高校数学】

各種ニュースサイトなどでも取り上げられ,もはや説明不要となったPaypayのポイントバックキャンペーンが始まって早くも1週間が過ぎた.

期間限定の20%還元の威力もさることながら,最低1/40の確率(Yahooプレミアム会員は1/20,ソフトバンクorY!mobileユーザーは1/10)で10万円相当まで全額ポイントバックのインパクトは大きく,Twitterでは「Paypayチャレンジ」などと称して全額バックされただのされなかっただのと大はしゃぎである.

この全額バックキャンペーンだが,公式サイトでは次のように表現される.

「Paypayのお支払いなら40回に1回の確率で全額(10万円相当まで戻ってくる!)」
──Paypay公式サイトキャンペーンページより引用

そして下にスクロールしていくとこんなことも書いてある.

「10回に1回は当選確率の表記です。PayPayで10回支払えば、必ず1回当選するキャンペーンではございません。ご注意ください。」
──Paypay公式サイトキャンペーンページより引用

実際のところこれはどういうことなのか,ということについて考える.ちなみにここから中盤までは自己満足の高校数学の復習が入るので,Paypayにしか興味がない人は飛ばしたほうが幸せになれる.

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くじ引きの罠 ─Paypayで学ぶ高校数学─

「40回に1回」と「1/40」,同じ確率を示しているようで体感する意味が微妙に違う.

Paypay公式サイトが注意をうながすように,前者の表現だとまるで「40回買えば1回当たるやろw」というような誤解をしやすい.

実際のところそうではないということは高校の数学A(ゆとり世代課程の場合.ほかは知らん)で学んでいる.

以下,確率は一般ユーザーの場合(当選確率p=1/40)として述べるが,pの値を変えればYahooプレミアム,ソフトバンク,ワイモバイルユーザーについても同じ議論が可能である.

「Paypayチャレンジを40回回す」のは,言い換えれば「当選確率p=1/40のくじを40回繰り返して引く」,より数学の問題っぽく表現すると「40本のくじがあり,そのうち1本があたりくじである.当選・落選にかかわらず,引いたくじは元に戻してから40回繰り返してくじを引く」となる.

従って「40回買えば1回当たる」といのは間違いで,(39/40)^40の確率で当選回数は0回である.一方,1回どころか2回,3回と当選する人も存在することになる.

今後の展開のためにより一般的に述べると,当選確率pのくじをn回繰り返し引いたとき(引いたくじは元に戻す),k回当選する確率Pkは,

Pk = nCk * pk * (1-p)n-k = n!/(k!(n-k!)) * pk * (1-p)n-k

階乗で表現し直したのはあとでjavascriptで実装する際に組み合わせをそのまま計算できないからである.やっぱりPythonがNo.1!

どういうことか

簡単化のため4回くじを引くことを考える.

今あなたは自分のくじの結果をノートに記録するにあたり,当たりを○,ハズレを×と表現する.例えば4回くじを引いて最初の1回が当たり,残りがハズレなら「○×××」と表現する.

ここで4回のうち1回だけ当たりくじを引いたという事象を考える.当たる確率がpなら,その確率はp*(1-p)3……ではない.

4回のうち1回あたりと言っても,上述の表現を用いれば「○×××」もあれば「×○××」もあるし,「××○×」,「×××○」もある.

要は,4回のうち1回のあたりが何回目に出てきたのか,を考える必要がある.それが上述の式のnCkの意味するところだ.

4回のうち2回当たりであることを想定すると,4つの並びのうち2つが○であればよいので,4個から2つを選ぶ組み合わせの計算をすれば良い,ということだ.その場合は4C2=6通りである.

いいから手っ取り早くPaypayに当てはめろ

……という人のために計算してみる.一般ユーザ(当選確率p=1/40)が40回Paypayチャレンジをしたとする.

このとき,累計の当選回数とその発生確率は以下のようになる.

当選回数確率(%)
036.3232
137.2546
218.6273
36.0499
41.4349
50.2649
60.0396
74.93*10^(-5)

以下,8,9,…,40回についても計算したのだが,見て分かる通りその確率はほぼ0のため省略する.

この計算からわかるのは以下の事実.

一般ユーザ100人がPaypayチャレンジを40回回して,1回だけ当選するのは約37人

「誤解」通りになるのは実は100人中37人にすぎない

1回も当選しない奴が約36人もいる

「40回やれば1回は当たるんだ!(*^○^*)」と意気揚々と40回買い物したやつが100人いたら,そのうち36人は1回も当たらない

一方で2回以上当たるやつも出てくる

3回当たるやつが6人,4回当たるやつが1人くらいでる計算.当然,天文学的な数字だがそれ以上当たるやつもいないとは言えない.

「40回に1回」とはなにか

期待値である.

上の計算結果で,当選回数×確率を足し合わせるとその値は1になる.

繰り返しになるが,これは期待値であって「お前が1回当たる」わけではない.沢山の人がPaypayチャレンジをした結果,当たりはその回数の1/40回くらいはあるであろう,ということを言っているにすぎない.

よくばりなあなたに

俺はソフトバンクユーザーなんだが!という人のために以下のページを用意した.

Paypay 全額バッグのシミュレーション(https://retore404.github.io/paypay_reality/)

当選確率を選択しチャレンジ回数を入力すると,当選回数の確率のグラフが下に表示されるようになっている.

寝る前にポチポチ作り始めたのでスタイルシートとかは一切なし.既知のバグとしてはチャレンジ回数を171回以上にすると(おそらく分母が無限大になっているせいだと思うんだが)確率が表示されない.

が,そもそもそこまでの回数を回すと分布の形はほとんど変わらなくなるし,いちいちconsole.log()で原因を探すのも面倒くさいので今の所直すつもりはない.

あと,動作確認はChromeでしかしていないし,他のブラウザでは入力の変更をきちんと拾えるか怪しい.

そんなこんなで超適当なプログラムながら値はあっているはずなので,お遊び程度に使っていただけたらと思う.

コードはGithub(https://github.com/retore404/paypay_reality)にあるので,どうしても気になる人がいたら直してください.よろしくお願いします(丸投げ).

おわりに

実際計算してみると意外と0回の確率が高いなあと思って物欲がおさまった.

めでたしめでたし.

まあ,全額バックがなくても20%戻ってくるんだけどね.物欲は永久に不滅です.

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