
誰が使うかもわからない林の中の駅と,そこにやってくる単行列車.
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北海道に引っ越したのは1997年頃だったと記憶している.ちょうど北海道の超ローカル線がボロボロと廃止されていった頃だ.物心ついた頃には北海道の鉄道は疲弊していたという印象しかない.
しかしどういうわけか,国鉄時代には今からは信じられないような路線網が北海道に張り巡らされていたらしい.以前どこかで国鉄時代の北海道の路線図を見て愕然とした.
今振り返って見る分には「そんなところに路線をつくるから赤字垂れ流しになったんだろ」というのが正論として受け入れられるわけだが,果たしてその時はどういう理屈で路線が作られたんだろうか.
この林の中の駅,今でこそ多分誰も使ってないけどWikipedia情報だと当時住民の請願によって作られたらしい.
請願があったということはそれなりに住民がいて,請願が通ったということはそれなりに需要が見込まれると認められたわけで.案外,北海道の田舎も鉄道需要があるくらいには賑わってた時代があるんじゃないかと思ってしまう.この駅が開業した約60年前のあの日,果たして北海道の鉄道風景はどんなものだったんだろうか.

しかしこうしてみると線路の整備状況の悪さが見て取れるな.
五十数年前のあの日,住民の請願によって作られた駅は半ば廃墟と化していて,そこに至る路線も青息吐息で,しかもこの問題がここ特有とは言い切れないというところに現代北海道の問題があるんだろう,きっと.
折しも帰省の前後でJR北海道絡みで動きがあった.
経営難のJR北海道に対し、国土交通省は新たに400億円ほどの支援に踏み切る。JR会社法に基づく監督命令も出し、再建を促す。27日に発表する。ただ、低金利に伴う基金の運用難や人口の減少といった原因は構造的。再建の道のりはなお険しい。
(中略)
これに対し国交省は19、20年度の2年間で計400億円ほどを支援する方針を決めた。併せて、自助努力を求める監督命令を出す。
──「JR北海道に400億円支援へ 国土交通省、監督命令も」(朝日新聞デジタル)より引用
私が子供の頃から北海道のローカル線はヤバイという話は地元でもさんざん囁かれていたのだが,どういうわけか抜本的な改革がなされるわけでもなく瀬戸際まで追い詰められている.
自助努力じゃ支えきれないローカル線と,地方の公共交通の未来はどっちだ.
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