2017/12/14

【台湾旅#09】雨の九份

九份へ

台北へと戻ってきた.とりあえず昼ごはん,ということで何を食べるか考えて,そういえば台湾にも駅弁があるって聞いたな!と思って駅弁売り場を探して買ってみた.

……買ってみたのはいいのだが,食べる場所を見つけるのに苦労した.

しかも,台湾は街中に割とたくさんゴミ箱が設置されているのだが,よりによって食べた場所の近くに何故かゴミ箱がなくて,ゴミ箱を探して地下街を徘徊.横浜で喩えると崎陽軒の弁当の空き箱を持ってダイヤモンド地下街をキョロキョロしながら歩くのと同じ状況である.職質されても文句は言えない.

さて,腹ごしらえもなんとか無事に終わったところで本日の,そしてこの旅行最大のイベント,九份訪問だ.

台北車站からMRT板南(Bǎnnán)線で3つ隣の駅,忠孝復興(Zhōngxiào Fùxīng)駅へ.ここから1時間半ほどバスに揺られることになるので,トイレに寄っておきたいなと思ってすぐ近くに遠東SOGOがあったのでお手洗いを借りることにしたのだが,日曜日ということもあってか凄まじい混雑でトイレにたどり着くのが大変だった.台湾はまだまだデパートが消費の中心地になっているようだが,日本の現状を考えると今後どうなるかは……

エキチカにバス停はたくさんあるが,九份にいくバスはこの乗り場から出発.ただし例によって2017年11月現在,という但し書きつきであって,今後どうなるかはわからない.実際これまでに何度か乗り場が変わっているようだ.ただバス会社(基隆客運)のHPを見ても乗り場の案内が見つからないので,事前のリサーチは大変かも.最悪MRTの窓口で聞いたら教えてくれるかもしれない.

待つことしばし,九份に向かうバスがやってきた.このバスでもEasyCardを使えるので,それらしきところにタッチをして乗車.

事前リサーチでは途中高速道路を通過する関係上,高速道路の先まで乗る乗客は運転士にそう伝えて人数確認用のカードを受け取るという話だったが,前に並ぶ観光客が誰もそれをしていなかったこともあって完全に失念していた.ただ,往路のバスでは途中のバス停に停車時に運転手が乗客数を数えていたし,復路のバスでは乗車時に運転手がスマホのアプリかなにかで人数を数えていたようなので,システムが変わっている可能性がある.いずれにせよ,確認の意味も込めて乗車時に「九份(台北)まで行きたいんだけど…」と言ってみると安心かもしれない.

しかしこのバス,運転が荒い.街中ではクラクションを鳴らしまくり,車線変更の際の横方向のGのかかり方も絶対おかしい.神奈川だと臨港バスは運転が荒いとかよく言われるがそのレベルじゃない.若干恐怖さえ覚えるレベルだった.

そしてこのバス,冷房がついているからかクッソ寒い.夏は冷房ガンガンで寒いと聞いていたが,この時期も冷房つけるとは.しかしまあ,外気温は20度くらいとは言え湿度が高くて動くと汗ばむくらいの感じなので,冷房つけてもおかしくない気候ではある.考えてみれば今回の旅行で私の人生の移動範囲の最南端は軽々と更新されてるんだよなあ.今までは沖縄すら行ったことないんだから.

まあ,そんなこともあろうかと,カーディガンの上に着るようにユニクロのポケッタブルパーカを持ち込んでいたので寒さはなんとかなった.函館旅行のときもこのパーカが函館山山頂で大活躍したのだった.元は取ったね.

バスは街中を抜けてスピードを上げる.市街地を抜けると一気に山の中の雰囲気を醸して,天気も一変して靄がかかったような光景が続く.そんな中でバスに揺られていると,ホテルでしっかり寝たはずなのに睡魔に襲われてうたた寝に引きずり込まれた.


目が覚める.バスが停まっている.いかん,乗り過ごしたか!?と思ったがまだ周りの乗客が降りていない.どうやら九份はまだのようだ.じゃあなんで停まってるんだ!?と思ってマップを開くとバス会社の営業所らしきところに停まっているらしい.休憩かなにかかと思ったが案内もないのでよくわからなかった(台湾語での案内はあったのかもしれない).うろ覚えだが運転士が変わったような気もする.いずれにせよバスは無事再び走り始めた.

険しい坂道を抜けて,いよいよ九份かという景色が広がる(バスの中で写真を撮るのを何故か忘れていたので,これは九份到着後の写真).

問題は降りるバス停の名前を調べてない,ということなんだがたくさん観光客もいるし大丈夫だろう.全員同じ考えで乗り過ごすことさえなければ.

はえーすごいところまで来たなあとぼんやり車窓を眺めていると,運転手の大声が響く.

「九份老街,到了!(Jiŭfènlǎojiē, dàole!!)」

台湾にいた2日プラスαで確実に聞き取れた現地語はこれだけだった.意味は「九份老街に着いたぞ!」という感じで,了というのは確か完了的な意味合いがあったはずである.これでも一応学部の1年~2年で中国語を履修していて多少は単語を覚えたし,そして最近だと中国の大学院から学生が我が大学に来ていて,横浜を案内したときに電車が目的地に着いたとき「到了(dàole)」と言っていたのが何故か印象的で覚えていたのだ.第二外国語なんてクソの役に立たないと思っていたが,案外捨てたものではないな.まあ,勉強量の割には合わないが……

台北も雲行きが怪しかったのだが九份は完全に雨.ツイてないなあと思いながら折りたたみ傘を取り出して差す.

基山街(Jīshānjiē)という店の並ぶ道に入るととんでもない混雑.道自体も広いわけではないので隅っこに寄って写真を撮るだけでも一仕事.しかも雨まで降ってる.

千と千尋の神隠しに出てくるアレに似てる!ということで日本で有名だからか,ここまで見てきた観光地の中で一番日本人率が高かったような気がする.多分この中で石を投げれば,3回に1回くらいは日本人に当たるだろう.

しかし,まあ赤提灯があちらこちらにぶら下がっているからどこを撮っても絵になるんだよなあ,この街は.

日没にはまだ早いが既に明かりがついている赤提灯も.

有名な阿妹茶楼(āmèichálóu)に続く豎崎路(Shùqílù)を抜けるとようやく少しだけ人混みが落ち着いて,その先の展望台みたいなところは意外にもガラガラだった.

ぐるっと大回りして再び人混みの中へ.この写真が今回の台北旅行で1,2を争うベストショットかな,と.1,2を争うベストショットという表現は何か変な気もするが.

有名なアングルはこんな感じだが,いかんせん人が多すぎて落ちついて写真も撮れない.あと個人的には縦構図が苦手なのでこのポイントはちょっと……

せっかくならどこかで台湾茶でも飲もうかと思っていたのだが,いかんせんどこも凄い混雑なので一気にやる気がなくなってしまった.とりあえず日没後の点灯する赤提灯を見るべくそこらで時間を潰そうとウロウロ.あてもなくふらついていると「写真撮ってくれ」と頼まれたので撮ってあげた.てっきり中国本土からの観光客と思って「Where are you from?」と聞いたらまさかの「Taipei」だった.確かによく見てみると単独で海外旅行という感じではなさそうな中高生くらいのグループだった.しかし,ここは台北から見物に来る人もいるのか.日本で言うと……箱根的な?

んで,これが千と千尋の神隠しに出てくる建物に似ていると話題の阿妹茶楼である.こんなことを書いておいて何だが,千と千尋の神隠しは大昔に見たような気もするが内容は全く覚えていない.

日没で赤提灯に明かりが灯るのを待って,写真を撮って即撤退.日没が近づくにつれて観光客の数が更に増えてきて大変だった.

九份.きれいな街ではあったが,いかんせん混雑が.いつか平日の比較的空いているタイミングを狙って来てみたいなあ,と.

台北へ

さて,台北に戻ろう.帰りの飛行機まではまだ時間があるが,少し余裕を持って空港に行きたい.

問題は帰りのバスに乗れるか,ということである.ここに来ている観光客はだいたいこの日没後の赤提灯を見て台北に戻るので,バスが大混雑するのである.そして前述のように高速道路を通行する関係上,定員以上詰め込むことができない.ではどうすれば良いか.

なんてことはない,一つ手前のバス停まで歩けば良いのだ.

というわけで九份老街バス停でうじゃうじゃ固まっている観光客を尻目に道路を登っていく.九份老街バス停?バカどもにはちょうどいい目眩ましだ.(作品が違う……)

ちょっと歩けば一つ手前のバス停,隔頂(Gédǐng)バス停にたどり着く.バス停で台北に戻る1062系統が停まることを確認し,しばらく待つ.台湾は乗りたいバスが近づいてきたら手を振って合図をしなければいけないので,小雨の中近づいてくるバスを凝視.2,3本見送ってやってきたのが1062系統だった.

目論見通りバスはガラガラ.やったぜ.バスに乗り込んでいま来た道を少し戻れば,目眩ましこと九份老街バス停へ.案の定積み残しが出たので雨の異国でウォーキングした甲斐があったというものである.

日もくれた山中をバスは快調に飛ばしていく.というか飛ばしすぎ!怖いって!


途中,高速道路で渋滞に捕まりはしたが,なんとか忠孝復興駅にたどり着き,MRTを乗り継いて台北車站へ戻ってきた.

九份,いい街だった.もし叶うなら,空いている時に来てみたいね.

つづく.

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