2016/10/24

“ゆるい”ミラーレス一眼ユーザー的旅行用カバン選び徒然

α6000を購入してから早数ヶ月が経つ.
10月に入ってからは出番が無いが,夏休み中はちょっとしたお出かけや旅行の時に大活躍してくれた.

さすがにミラーレスをむき出しでカバンに突っ込むのは怖いので,以前紹介したように,こんな感じの小さいケースにα6000を入れて,ケースごとリュックに入れていた.
ただ,9月に旅行に出掛けて使った結果,感想としてはやや使いにくいというのが正直なところである.

どういうところに使いにくさがあるかと考えると,それはひとえにサイズがジャストフィットしないからだと思う.
純正ケースでもないから当然だし,ミラーレスはコンデジと違って使うレンズによってサイズが違うため,原理的にジャストフィットというのは特定のレンズを使っている時にのみ成立するわけで,しかたがないことかもしれない.

あと他に考えられる原因としては,小さく丸みを帯びた形なのでカバンのなかで安定しないことだろうか.
一応クッション性はあるし,カバンには着替えくらいしか入っていないのでカメラが壊れることは心配していないがなんとなく心もとない.


理由がイマイチしっくりこないのだが,いずれにせよなんとなく使いにくいというのはどうしようもない事実.
仮に使いやすかったとしても,そろそろレンズを買い足してみようかと思っていて,そうなるとこのケースではスペースが足りない.
よって新しいケースかカバンでも買おうかと思い色々調べてみた.


まずカメラバッグの購入を考えてみる.
主な用途は旅行であるから,リュックタイプであることは絶対条件.
ショルダーバッグは肩がこるので駄目だ.

というわけでリュック型のカメラバッグを探してみると…

こんな感じにバッグ内全部をカメラ用品で埋め尽くすようなものばかりがヒットする.

違う,そうじゃないんだと(笑)
私はあくまで旅に出た記録として写真を撮るのであって,撮影旅行に行くわけではない.
カメラは主ではなく従,着替えとか時刻表とか,旅に必要なものを詰め込むのがメインで,その一角にカメラを入れたいだけなのだ.

そういう観点で検索すると,「2気室」という単語がヒット.
つまり,リュックの中が2つに分かれていて,片方にカメラとレンズを,もう片方に他の荷物を入れることができるというものらしい.
これだ.

ということで「カメラバッグ 2気室」などとAmazonで調べると色々見つかる.
例えばこんなの.

デザインも悪くない(といいつつカバンにデザインをそれほど求めていなかったりもする).
2気室でリュックタイプ.言うことなし.
……なのだが,さすがにカバンは現物を見ず買うのは憚られるので,意気揚々とヨドバシカメラに行ってみた.

結論:カメラ用スペースがでかすぎ.
イメージとしてはこうだ.

上のManfrottoのものに限らず,2気室のカメラバッグはだいたいこんな感じである.
着替えと時刻表を入れることはちょっとむずかしいくらいのスペースのものが多かった.


ということで作戦変更.
その名もオペレーション・バッグ・イン・バッグ(そのまま)である.
要はカメラを入れる小さめのカバンなりケースを用意し,それをリュックに入れようというわけである.
やっていることは使いにくいといった現在のそれと変わらないので,その小さなカバンorケースに何らかの工夫が必要となるわけである.

色々考えて以下の3つをピックアップ.

まずはETSUMI モジュールクッションボックス D
巾着タイプなので,カバンを開けてまたマジックテープをベリッ…みたいな手間が省けそうなのがよさそう.
サイズ的には手持ちのリュックにジャストフィットくらい,だと思う.
正直サイズ感は実際に買ってみないとわからないというところは大きい…

もう一丁.HAKUBA ルフトデザイン アーバンウォーカー ショルダーバッグ S
リュックじゃないとダメだ!って言ったのにショルダーバッグじゃねえかこれ!という突っ込みはごもっともだが,サイズが小さいのでリュックに入れることが可能っぽい.
メリットはそこで,例えばホテルに一度チェックインして,カメラだけ持ってく,というときに便利.
9月のシーンでいうと長野のホテルに荷物をおいて姨捨に行く,ということができたわけだ.
あのときはリュック丸ごと背負って行ったが,カメラだけ持っていったほうが楽なのは間違いない.

ラスト.Lowepro パスポートデュオ
オペレーション・バッグ・イン・バッグはどうした!という突っ込みはごもっともだが,これはじつはウェストバッグの上部を展開するとリュックになるという優れもの.
ウェストバッグモードならリュックに入れることがギリギリできそう.
……というか,これを普通にリュックとして使えばいいという話ではある.このカバンはリュックモードにするとカメラ収納スペースのほうが小さく,つまり上述の「私の理想」に近いスペース配分となるからだ.
実はこれについては現物をヨドバシで見つけて触ってきた.
機能性はよさそうだが,上部に展開するリュック部分がペラペラで大丈夫かなあと思わなくもない.ただ,商品説明では丈夫な素材と言っているので大丈夫だろう,上部だけに.


……とまあ,クッソつまらないギャグで〆たが,レンズの買い足し,冬・春の旅行の費用との兼ね合いも考えつつ,上の3つの中から選ぼうかなあと思っている.
今のところ一番有力なのはHAKUBAのアーバンウォーカーかなあ……

2016/10/13

FIFA17 キャリアモード・レビュー

さて,FIFA17が発売されて早半月近くが経つ.
WatchDogsの攻略も一段落した私はこの半月FIFA17のキャリアモードばかりやっていた.

ここでいうキャリアモードとは,選手モードのキャリアモードである.
一般にFIFAのキャリアモードというと監督モードのことを指すことが多いらしく,その点ではマイノリティではあるのだが,選手モードには選手モードの楽しさがあると思っている.

選手モードの楽しさは,文字通り選手のキャリアをなぞることができるということである.
最初は中小クラブでキャリアをはじめ,あるいは大クラブではじめても中小クラブにレンタルで修行に出されたりしつつ,能力値を高めてキャリアアップしていく.
その一連の人生を楽しめるのが選手モードの楽しさだと,個人的にはそう感じている.
そういう意味では,ストーリーモードとしてFIFA17より実装されたThe Journeyとの差別化がついていないというのは否定できないが…
The Journeyをまだやっていないので詳しくは知らないのだが,キャラクターが固定でありリーグもプレミア限定らしいと聞いたので,そのあたりの自由度でキャリアモードが勝ると思っている.

選手の人生をなぞるという意味では,FIFA17からJ1が収録された意義は大きい.
今までは日本人設定でも海外クラブからキャリアを始めざるを得なかったため,リアリティの点で難があった.
今作ではJ1クラブでキャリアを始め,海外ビッグクラブへ移籍という王道のサクセスストーリーを再現できるのが良い.

…ということで,今回のキャリアモードはその楽しみを求めてプレイ開始.
ポジションはCAM,チームは横浜F・マリノスで開始.一応横浜市民なんで…

…んで,はじめたのはいいのだが,味方AIの動きが酷すぎてストレスが溜まるばかりであった.
Jリーガーの能力値が低いだけかと思ったものの,横浜での1年目を終えた冬移籍市場でバイエルン・ミュンヘンに移籍してもやはり味方の動きがしっくりこなかった.

というわけで,Jリーグ収録という最大のメリットを紹介したところで,実際にプレイして感じた改善して欲しい点をつらつらと述べる.

AIのキープ癖
これは体験版のときから思っていたのだが,敵味方問わずボールキープへの意識が高すぎる.
サイドでのキープとか,1トップがMFに落とす前の一時的なキープとかならわかるのだが,相手がガッツリ引いているときに中央でキープするのが解せない.
サイドでのキープにしても,こねくり回しすぎてロストする流れが多すぎる.もっとシンプルにパスを出すほうが良かったと思うのだが…

恵まれた抜け出しへの残念すぎるパス
今回は攻撃AIの改善点として,スペースへの抜け出しがアピールされており,実際にFIFA16よりは良くなっているのかなとは思う.
すべての選手を操作するモードであればそれだけで満足なのだが,選手モードでは必ずしもパスの出し手が自分になるとは限らない.
んでもって,AIのパスの出し方が下手くそ過ぎてお話にならない.
どう考えても裏に抜けられないフライスルー,ガッツリ囲まれている味方への唐突なパスetc…いい出したらキリがないが,折角抜け出しは良くなっているがそこへのパスが論外で,あまり改善の旨味を感じられないのが現実である.

複数ポジション適正 またはコンバートの実装
キャリア開始時,横浜ではトップ下でプレイしていたのだが,バイエルンでは4-3-3だったためにインサイドハーフをプレイすることになった.
ただ,プレイスタイルから言えばインサイドハーフよりはウィングのほうが適当かなと思っており,守備に奔走するインサイドハーフプレイはあまり楽しめなかった.
一概にCAMと言ってもフォーメーションによってけっこう役割が違うわけで,CMをやらされるくらいならWGをやれるようにしてくれよ,というのが本音である.
これは前々から思っていたことではあるが,ランダムイベントとしてポジションのコンバートを提案されるような形にしたら面白いと思う.

契約年数概念の導入
横浜もバイエルンも1年ないし1年半で移籍したためまだ良くわかっていないのだが,能力値があまりに高いと移籍金が高騰しオファーが来づらくなっているように思う.
現実にはそのような状況は契約年数が解決しているわけであって,ゲーム内でも様々なクラブを渡り歩きたいという考えは不自然ではなく,是非ゲーム内でも契約年数の概念を導入してほしいなあと思う.
2年契約くらいがテンポよく遊べるのではないかなあと思う.

以上,現時点で思っていることはこんな感じ.

2016/10/01

サンライズ瀬戸・出雲+新幹線 VS 航空機 ―東京→西日本都市圏早朝アクセス対決―

瀬戸内旅行でサンライズ瀬戸を使ったとき,対高松・対出雲の輸送がメインじゃないんじゃないの…?みたいなことを書いた.
その根拠は隣のサラリーマン風のおじさんが岡山から先新幹線に乗り継ぐ風であったからだが,では実際どの都市に向かうのであれば,サンライズ+新幹線の組み合わせが有利なのか!?ということを検証してみたい.

今回の検証の概要は以下の通り.

  • 東京から西日本の各都市のアクセスについて,出張等で午前中にできるだけ早く到着したい場面で,鉄道・航空機両交通手段の最速到着時刻を調べる.
  • 対象とする都市は岡山以西および四国に位置し,総務省の定義による大都市圏・都市圏の中心都市となっている各都市とする.
  • 鉄道の起点は東京駅,航空機の起点は羽田空港とする.羽田空港へのアクセスはここでは考えない.
  • 目的地は両手段とも目的地都市の中心駅とする.
  • 鉄道は前日夜にサンライズ瀬戸・出雲を利用し岡山もしくは四国内の停車駅で乗り継ぐケースを考える.
  • 航空機は当日朝,首都圏各地からのアクセスを鑑み,6時半以降に羽田空港を離陸するANAまたはJALの便を利用することを考える.
  • ダイヤは2016年10月平日のものを利用する.

さーいってみよう.


対岡山アクセス

西日本が誇る大都会岡山県岡山市への午前中アクセス比較.

対岡山・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着

対岡山・航空機

羽田空港 7:10発
↓JAL232便
岡山空港 8:20着 8:50発
↓バス
岡山駅 9:20着

対岡山比較

圧倒的鉄道有利…なのだが,逆に早く着きすぎる感もある.
航空機利用は「羽田7時10分発」と軽々しく言っているが,これに乗るためには場所によるが始発に乗って羽田に向かわないと厳しいところも多いだろう.
一方サンライズは7,8時間は横になることができる.
ちなみに,新幹線VS航空機で新幹線に軍配が上がるのは新幹線がおよそ3時間で到達できる範囲というのが定説だが,東海道・山陽新幹線を東京から使うと,ちょうどここ岡山あたりがおよそ3時間のラインとなる.
それを考えれば,対岡山では早朝アクセスも日中アクセスも鉄道有利ということになるか.


対松山アクセス

四国唯一の都市圏,松山都市圏の中心都市.四国に疎い私はてっきり高松が一番栄えているのかと思ってたゾ!
四国には新幹線が走っていないので(北海道新幹線開業でJRのうち唯一新幹線をもたないのが四国になっている),番外編感はあるが在来線特急乗り継ぎと航空機でのアクセスを比較することにする.

対松山・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸
高松 7:27着 7:37発
↓特急いしずち1号
松山 10:05着

対松山・航空機

羽田空港 7:25発
↓ANA583便
松山空港 8:50着 9:00発
↓バス
松山市駅 09:15着

対松山比較

航空機強し.8:50に空港着で10分後のバスに乗れるのかというと怪しいが,その後のバスに乗ってもまだ鉄道より早い.
鉄道の敗因は四国内での乗り継ぎの悪さ.
本来であれば坂出で松山方面の特急に乗り継ぎたいところだが,高松まで行って引き返しても同じ特急に乗ることになる(のでモデルケースでは無駄に高松まで行った).
この坂出-高松往復分でおよそ1時間のロスが生じている.もしサンライズ瀬戸を坂出で降りてすぐに乗り継げる特急があれば,航空機と到着時間で殴り合いできる状況になるだろう.


対広島アクセス

再び本州に戻って広島大都市圏の中心都市広島へのアクセスを比較する.

対広島・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着 6:51発
↓みずほ601号
広島 7:26着

対広島・航空機

羽田空港 6:50発
↓JAL253便
広島空港 8:15着 8:30発
↓バス
広島駅新幹線口 9:15着

対広島比較

岡山でサンライズからの乗り継ぎをしろ!と言わんばかりに調度良い時間帯にくる山陽・九州新幹線みずほ601号に乗るとなんと8時前に広島に到着することができる.
一方航空機は空港についた時点で8時過ぎ,アクセスの悪さから広島駅に着く頃には9時を回っている.
前述の「3時間ライン」から言えば,東京から新幹線でおよそ4時間の広島は航空機に分があるわけだが,空港のアクセスの悪さのためか,昼間の新幹線VS航空機も割りと新幹線が健闘しているらしい.


対北九州アクセス

一気に九州へ飛んで,北九州・福岡大都市圏の中心都市のひとつ,北九州へのアクセスを比較.

対北九州(小倉)・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着 6:51発
↓みずほ601号
小倉 8:12着

対北九州(小倉)・航空機

羽田空港 6:30発
↓ANA239便
福岡空港 8:15着 8:41発
↓福岡市地下鉄空港線
博多 9:16着 9:32発
↓のぞみ18号
小倉 9:48着

羽田→北九州の便数が少ないので福岡経由のほうが早く着く(少しの差だが).
北九州空港利用の場合は以下のとおり.こちらのほうが乗り換えが少ないので楽といえば楽.差は20分ほどだし.

羽田空港 7:40発
↓ANA3873便
北九州空港 9:20着 9:35発
↓バス
小倉駅新幹線口 10:08着

対北九州(小倉)比較

九州まで来ても鉄道有利.東京からの日中新幹線アクセスは4時間半ほどかかるので,日中だと航空機が圧倒的有利.


対福岡アクセス

北九州・福岡大都市圏のもう一つの中心都市,福岡へのアクセスを比較.

対福岡(博多)・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着 6:51発
↓みずほ601号
博多 8:29着

対福岡(博多)・航空機

羽田空港 6:30発
↓ANA239便
福岡空港 8:15着 8:41発
↓福岡市地下鉄空港線
博多 9:16着

対福岡(博多)比較

小倉同様,日中のアクセス対決では圧倒的に航空機有利.福岡空港便は本数もかなりあるし,空港から中心部へのアクセスも良いからだ.
差は縮まってきたが,早朝アクセスではまだ鉄道が少し早い.


対熊本アクセス

2015年国勢調査で大都市圏に昇格予定の熊本.

対熊本・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着 6:51発
↓みずほ601号
熊本 9:04着

対熊本・航空機

羽田空港 6:40発
↓JAL623便
阿蘇くまもと空港 8:25着 8:45発
↓バス
熊本駅 9:40着

対熊本比較

同じことの繰り返しになるが,日中アクセスでは航空機圧倒的有利だが,早朝(というほど早い時間ではなくなってきたが)アクセスではここまで来てもまだ鉄道が早い.


対鹿児島アクセス

最後は最南端の都市圏,鹿児島都市圏の中心都市鹿児島へのアクセスを比較.

対鹿児島・鉄道

東京 22:00発
↓サンライズ瀬戸・出雲
岡山 6:27着 6:51発
↓みずほ601号
鹿児島中央 9:48着

対鹿児島・航空機

羽田空港 6:40発
↓ANA619便
鹿児島空港 8:25着 8:50発
↓バス
鹿児島中央駅 9:30着 

対鹿児島比較

ここに来てようやく航空機が辛うじて勝利.
さすがに岡山から3時間かかる鹿児島では,新幹線でも及ばないらしい.


対西日本都市圏アクセスにおける航空機対策としてのサンライズ瀬戸・出雲

なんでこんなことを一々調べて書いたかというと,世の鉄道ファン・マニアのみならず「鉄道評論家」みたいな肩書の人までもが,「こうなったらいいな」レベルの妄想を「ぼくのかんがえたさいきょうのれっしゃ」として記事にしてたり本を書いたりしている現状を憂えて,少しはまともに経営の視点から分析するような記事を増やすためである(一応そういう分野の学生だからだ).
世の「鉄道評論家」は(それ自体胡散臭い肩書だと思うが),何というか発想が「子供」すぎる.
「こうすれば実現できる!」という実行可能性についての議論はするのだが,「では鉄道会社がわざわざそれをするのか?」という点を無視している例があまりに多く,あくまで願望のレベルを出ないからだ.
ここでいう「わざわざ」とは,何らか追加の投資をしたり組織内での調整をするといった意味で,つまり,いま現存する列車を存続させるか否かというレベルではなく,自ら何らかのアクションを起こしてまでやる意義があるのか,という意味である.

そもそも鉄道ファンという集団とはどういうものなのかという点については機会を改めたいが(これは本気でいつか書きたいと思っている),私自身は自分を鉄道ファンだとは思っていない.
以前(10年位前のこと)はそうだったかもしれないが,今はむしろ自分の学習分野の対象として,割りと冷めた見方をしつつ興味の対象としている.

例えば2年前の帰省のとき,最後のブルートレインとなっていた北斗星に乗って北海道へ行ったわけだが,あれ自体は素晴らしい経験だったし,もしブルトレが残るならそれはとても嬉しいことだと思う.
ただ現実には新幹線開業でブルトレは全廃となったわけで,それはしかたのないことだと思っている.
だが,それをここをあーしてこーしてどうこうすればブルトレは残すことができた!とか言っている(自称)評論家を見ていると,ああこいつバカだなあと思ってしまう,という意味では非常に冷めている.
鉄道会社が“わざわざ”あーしてこーしてどうこうする動機がなかったからこうなったのに,何考えているんだろう,と.

というわけでブルートレインはなくなってしまったが,寝台特急としてはサンライズ瀬戸・出雲が存続している(客車ではなく電車特急なのでブルトレではない).
これ自体は喜ばしいことだが,例えば現在使っている車両の寿命が来た時,新たに投資をして新しい車両を作ってまでサンライズ瀬戸・出雲は存続されるのか,という点について考えたいと思った.
この記事はそのための材料のひとつとして,西日本各都市圏の朝のアクセスという点から航空機との比較を行ったわけである.

結果から見れば,熊本までサンライズ+新幹線が有利,鹿児島でも互角.
航空機利用の場合は早朝から家を出て羽田へ向かう必要があり,かつ到着の時間に結構ズレがある.
サンライズ利用の場合は前日夜に東京駅に行き,そこから6時くらいまでは横になって休むことができる.かつ,到着時刻も航空機よりは安定していると言えるだろう.
その点,(松山を除く)西日本各都市圏への朝のアクセスではサンライズ+新幹線の利用は出張リーマンのファーストチョイスに成り得る魅力を持っていると言える.
(松山アクセスもサンライズからの乗り継ぎに無駄のない時間設定の特急が設定されれば航空機と戦えると思うが,前述のようにそれをわざわざするだけの需要があるのかという点は別途考えなければならない.)

そのように考えれば,サンライズ瀬戸・出雲がJR西日本,そしてサンライズ瀬戸・出雲に直接関係しないJR九州に与える影響が見えてくる.
前述のように,日中の新幹線VS航空機の対決では,せいぜい広島あたりが互角になるが,それ以西は航空機が圧倒的に有利になる.
ところが,サンライズ瀬戸・出雲の存在によって,午前中早い時間に着きたいというニーズから,サンライズ瀬戸・出雲からの乗り継ぎ先として山陽・九州新幹線への需要が生まれる.
本来東京からのアクセスでは航空機が圧倒的に有利になる九州の大都市の需要を,状況は限定されるが新幹線に取り込むことが可能になってくるわけである.

首都圏-京阪神の移動で航空機を圧倒し,数分間隔で『のぞみ』が行き交う,“ドル箱”東海道新幹線とは異なり,山陽・九州新幹線は圧倒的な利益を叩き出せる路線ではない.
サンライズ瀬戸・出雲の設定で,東京からの需要を少しでも取り込むことができるとすれば,特にJR西日本に取っては列車を設定する意義のあるものになる.
仮にサンライズ瀬戸・出雲単体の利益創出力が弱かったとしても,「いやでもこれは山陽新幹線の需要増に繋がっているんです」と言うことができれば,少なくとも言い訳にはなる.

サンライズ瀬戸・出雲に使われる285系は数年前にリニューアルされた.
リニューアルされたということは暫くの間はサンライズ瀬戸・出雲は安泰となるだろうが,問題はその後,完全に老朽化し置き換えが必要になるタイミングを乗り越えられるか,ということになる.
上述のように,JR西日本にとっては山陽新幹線の需要創出という“言い訳”をもって新車の投入に乗り気になる可能性はあるが,そうなると問題はJR東海の動向になる.
JR東海はサンライズ瀬戸・出雲の設定で他の付随的な需要が発生するわけではない.
よってJR東海にとっては,単純にサンライズ瀬戸・出雲で利益が出るか否か,そしてその利益の大きさが新車をわざわざ投入するのに見合う大きさか,ということが問題になってくる.
(もちろんJR西日本にとっても大きな問題である.いくら“言い訳”を用意しているとはいっても,サンライズ自体が全く利益にならないならやる気にならないだろう)

ここまで見てきたように,サンライズ瀬戸・出雲には山陽・九州新幹線の付随的需要を生み出す力があると推測できるが,現存車両を使った列車の存続には問題なくとも,車両に寿命が来た時,新たに車両を作ってまで存続するかという点は別問題であり,それはサンライズ瀬戸・出雲自体の(特にJR東海管内での)利益の大きさによるだろう.
サンライズ自体の利益については,車両の減価償却のみならず,運転士や車掌や途中駅の駅員の人件費なども含めて様々な要素が絡み合う問題となるため,ここですぐに検証することはできない.
この点を今後の課題とし,サンライズ瀬戸・出雲が山陽新幹線の需要を創出する可能性を航空機との比較によって指摘したところで,この記事を〆たいと思う.