2016/09/17

サンライズ瀬戸で行く瀬戸内+福岡の旅【2日目】

夏のカルスト

朝の新山口駅前.
若干寝坊して朝からバタバタしたが,なんとか予定通りチェックアウトして駅へやってきた.

今日はまず,ここ新山口からバスで秋芳洞・秋吉台のカルスト地形を見に行く.
バスでは案の定Suicaが使えないらしいので,自販機で小銭を崩しておく.

防長バス 新山口駅(北口)→秋芳洞

秋芳洞まではバスでおよそ40分.
観光客らしき女性と,地元民らしき高齢者と私,3人だけをのせたバスは新山口を発車し一路秋芳洞へ.
住宅街を抜けると一気に山間の景色が広がり始める.800Mhz帯を掴まない私のスマホはちょくちょく圏外になった.

バスに揺られ40分,秋芳洞へ到着.
バスのりばから少し歩いて秋芳洞の入り口に辿り着く.朝早いこともあり,まだ観光客はそれほどいない.
やはり観光地は朝一に見て回るに限る.

入場料を支払い中に進む.鍾乳洞に入る前からまわりを一気に冷気が包む.
カーディガンをひっかけて更に進むと,鍾乳洞の入口が見えてきた.

鍾乳洞の中は,RPG中盤の洞窟ステージのような光景が広がっていた.
ここ,本当に日本か…?と思いたくなる景色が奥に続いている.

こんな感じの洞窟をずっと歩いてきた.
更に黒谷支洞のほうに向かおうと思ったが,修学旅行っぽい学生の軍団が黒谷のほうからやってきたので,支洞は後回しにして地上の秋吉台へと向かう.

秋芳洞で一番怖かったのがここ.
自然が創りだした神秘の鍾乳洞に唐突に現れる人工物.そのズレに何となく寒気を感じる.
このエレベーターで地上へ向かうことができる.

少し歩いて秋吉台へ.
秋吉台はこの辺り一帯のカルスト台地を指し,その地下の鍾乳洞を特に秋芳洞と呼ぶ.
石灰岩と雨水が創りだした自然の神秘という点ではどちらも共通している.

カルスト台地特有の凸凹した地形を一望できる.
地学と地理でカルスト地形について学んでから,いつか一度来てみたいと思っていた夢がかなった.

再び秋芳洞に戻り,黒谷支洞へ向かう.支洞に入ってきたところで埼玉からきたという旅行者に話しかけられた.
この手の話し相手は,人口比からいってだいたい首都圏在住で案外近くに住んでいたりするから話が盛り上がる.

洞窟内は修学旅行とみられる子供が小学生から高校生まで幅広い年齢層でみられた.この地域に修学旅行にやってくるのはどの辺りの学校なのだろうか.
ここに修学旅行でやってこれる子たちは幸せだと思う.少なくとも京都の二条城よりは見応えあるわ…

“フク”が食べたくて

防長バス 秋芳洞→新山口駅(北口)

さて,バスで再び新山口駅に戻ってきた.
これから青春18きっぷ最後の1日分を使って九州は博多まで向かうわけだが,その前にどうしても食べたい駅弁がある.

ふく寿司.
この地の名物であるふぐを,ふくと呼ぶらしい.せっかく山口に来たのでぜひ食べてみたい.
んでもって,18きっぷの旅行といえばやはり駅弁であるからして,ふぐを使った駅弁ということでふく寿司を食べたいと思っていた.

前日は在来線口になかった!という話をしていたが,実は目星をつけていて,新幹線乗換改札から見えた新幹線改札内の売店にありそうな気配がした.
青春18きっぷでは入れないので,新幹線口からわざわざ入場券を買って入ってみる.
さあ,ついにふく寿司を手に入れる時が来たぞ…

なかった.
駅弁コーナーらしきスペースはあり,ふく寿司のポップも貼ってあるのだが肝心の商品が見当たらない.
さては売り切れたな…

しかし困った.売り切れてるとなるともうどうにもならん…
とりあえず新幹線改札から出て,案内所で「あの売店以外に駅弁売ってるところある?」と尋ねると,「そこのおみやげ街道というところにある」と教えてくれた.
なんだ,入場券買う必要なかったじゃん.サンキュー案内所.いざゆかんおみやげ街道.

なかった.
うせやろ!!と思ったがここも同じ状況で,ポップはあるが商品がない.
しかたないので店員に聞いてみると,「朝入った分は売り切れ.12時半から13時の間くらいに2便の入荷がある」と教えてくれた. 時刻は12時20分過ぎ.少し待てばふく寿司を購入できる.しかし,予定では44分発の列車に乗らなければいけない.

さてどうしたもんか…
10秒悩んで,ふく寿司入荷を待って,乗れたら44分の電車に乗り,乗れなければ次の列車に乗ると決断.
待つこと十数分.きた.でっかいケースを運んだおじさんがやってきて,店員のおねーさんに渡している.間違いない.
おねーさんがケースから陳列スペースに並べ始めたので近づいてみると,あった,ふく寿司だ.
このおねーさんがさっき「もうすぐ入荷する」と教えてくれた人で,近づいた私に気づいたらしくケースの底からふく寿司をわざわざ先に出してくれた.
ほんとお世話になりました…

時刻は早12時40分を少し回ったところ.Suicaを使って音速で支払いを済ませ,待ちに待ったふく寿司をぶら下げて在来線改札へと急ぐ.
青春18きっぷに最後の日付印を押してもらい入場.ホームへ向かうと12時44分の列車は出発間近.

乗ろうと思えば乗れたのだが,少し覗いてみるとクロスシートがだいたい埋まっていたので敢えて見逃して次の列車に乗ることにした.
どうせ次の列車でも帰りの飛行機には間に合うので全く問題ないし,できればゆっくり駅弁を食べたい.

次の列車は13時23分.まだ30分以上時間があるので,コンコース内のベンチに陣取り,いよいよふく寿司を食すことにする.

デデン.
この白いのが多分ふぐ.多分,というのは今までふぐを食べたことがないから.
しばしの間人生初ふぐ食を楽しんだ.

ふく寿司を平らげホームに降りると,長い長い貨物列車が走り去っていった.
この地を西に進むということは,九州への貨物列車だろう.

山陽線 普通3329M 新山口→下関

“夏のかけら”とともに.
ここから青春18きっぷ最終日の移動が始まる.秋吉台,ふく寿司と山口県を楽しんで時刻は既に13時をまわり,1日中使える青春18きっぷの使い方としてはややもったいないが,まあしかたがない.

列車は本州最西端の地をただひた走る.
下関の手前の幡生駅で,京都から日本海側を走ってきた山陰線と合流.
“陽”と“陰”の合流に,ますます本州の最果てにやってきたのだという実感が湧いてくる.

未踏の地

山陽線・鹿児島線 普通5179M 下関→小倉

下関で少し乗り継ぎ待ち.この乗り継ぎ待ちも含めて,ふく寿司を手に入れるために予定より1時間遅れて最終目的地博多に着くことになる.
やや時間は窮屈だが,青春18きっぷの旅など基本的に時間的に窮屈でないことがないくらいなので,まあいつもどおりと言える.

列車は下関を出て少し走るとトンネルの中へ.
関門トンネル.本州・下関と九州・門司を結ぶおよそ4kmのトンネルを抜けるとそこは九州の地.
正直青函トンネルを抜けた時のような感動はない.え,もう九州?みたいな.
この短さのため,同じく関門海峡をくぐる国道のトンネルは歩いて通ることができるらしい.

列車はあっけなく終点・小倉へ.
てっきり向かい側のホームの列車に乗り換えるのかと思ったが,階段を降りて別のホームからの列車になるらしい.
確認せず向かい側の列車に乗ったらどこへ行っていたのか…間違えたら間違えたで楽しい気もするが,十中八九飛行機には間に合わなくなっていただろう.
正しいホームへやってくると向かい側のホームにはメタリックな青い車両が.
やはりJR九州の車両は他社にない格好いい車両が多い.

鹿児島本線 快速4255M 小倉→博多

九州の地からはじめて乗る列車はこちら.
外装こそ首都圏の列車のそれと大差ないが,内装は若干おしゃれ感漂う.
車内の広告も全て?が恐らく自社の「九州の旅」.ゲスの極み出版物こと週刊誌の広告がひしめく首都圏とはかなり異なる.

関門越えの列車に乗っていた時から気になっていたのだが,JR九州の車掌は放送開始時に一々「ありがとうございます.」から入っているようだ.
下関から乗った時は聞き間違えかと思ったが,小倉からのこの列車でも同じようにアナウンスしていたし,帰宅後Youtubeで動画を探したがやはり「ありがとうございます.」から放送が始まる.
となると人によるというよりも,マニュアルでそう決まっているのではないかと思う.
九州の人にとっては当たり前かもしれないけれど,(関西は覚えてないが少なくとも)東日本はJRにかぎらず多くの私鉄も含めて,「まもなく~~です」といきなり言うと思う.
九州スタイルのほうが丁寧だと思うのだが,いかんせん慣れないので何となく背筋が痒くなる.

小倉から博多まではおよそ1時間.もっとも新幹線を使えばあっと言う間なのだろうが…
関東民からすると小倉も博多も(市名でいうと北九州市と福岡市)九州北部の二大都市という印象だが,思ったより離れているなあと感じた.てっきり東京と横浜くらいの距離感かと… 車窓は工業地帯が続き,東京臨海部と似たようなものかと思うと住宅地があったり,一転して山間に入って行ったりと景色がめまぐるしく変わっていく.
岡山・広島あたりと同じようにこの辺りの都市構造が気になりスマホでWikipediaを召喚.
福岡と北九州でひとつの大都市圏を形成しているらしい.
こうして列車で移動すると1時間くらいということは横浜と大宮くらいの距離になるわけで,時間的にはそこまで遠いわけでもないのだが,関東大都市圏のように都市部がずっと続いているわけではなく,間にこうして小高い山があったりするので何となく地理的に分断されているような気がしてくる.

そろそろ夕日が眩しい時間帯になって,線路が蛇行しているからか,左側から夕日が差したかと思ったら右側から差したりと,光線の変化が忙しない.
ブラインドを降ろして隙間から車窓を眺めていると,列車は間もなく博多に到着した.

青春18きっぷを見せて博多駅を出場.
ふく寿司購入とそれに伴う下関での待ち時間増加で,予定より1時間遅い博多到着.
飛行機の時間には若干余裕があるが,かと言ってあちこち見て回るほどの時間もないし,下調べもしていないのでどこに見どころがあるのかもよくわかっていない.

とりあえず地下鉄に乗って大濠公園へ向かうことにする.
特に目的もないが,以前どこかで写真を見てなかなか綺麗なところだと思った記憶が残っていて,時間があれば寄ろうと思っていた.

んでんでんで,大濠公園.博多から地下鉄で数駅,駅を出て少し歩いたところでアクセスは良い.
何の変哲もないが登録記念物になっているらしく,帰宅後調べたところによれば福岡城の外堀の一部にあたるらしい.東京で言うと外濠公園みたいな感じだが,こちらのほうが明らかに規模が大きい.

一息ついて時間を見ると,結構時間に余裕がなくなってきた.
飛行機は電車と違いジャスト・イン・タイムで乗り込めるわけではないし,万が一途中人身事故に巻き込まれでもして空港に辿りつけないとでもなったら泣くに泣けない.
今回はLCCなので,そのような事情でも振替はできないからだ.

再び駅に戻り地下鉄へ乗車.博多をすぎて数駅進むと終点福岡空港.
福岡市中心部からのアクセスはすこぶる良いらしい.

改札を出て(ちなみにここはSuicaが使える),乗車便のターミナルを確認し駅を出ると空港ターミナル直結のバスのりば横に出てくる.
LCCということもあってか端の方のターミナルのようで少し歩かされたが,空港自体が首都圏の端に位置する成田空港と比べればかなり恵まれたアクセス環境だと思う.
欲を言えば,羽田のようにターミナルの建物の地下に直接駅があれば…とは思うが,それは贅沢というものだろう.

ジェットスター GK512便 福岡空港→成田空港

下関あたりでスマホを使いチェックインを済ませていたので,さっさと保安検査場へ.
帰省の時はタブレットにBluetoothキーボード,スマホにガラケーにポータブルバッテリーにといろいろ持ち込んだのでここでそれらを別のバスケットに移すのに手間取ったが,今回はカメラとスマホとガラケーとポータブルバッテリーくらいなのでそんなに手間取らなかった.
…書いてて思ったけど思ったより持ち込んでるな.

搭乗するGK512便は使用機材到着遅れで20分の延発予定.
LCCならこれくらいの遅れは当たり前だし,むしろ20分遅れで済んでラッキーとも言える.
ちょうど本州南岸を台風が通過し,仙台便あたりは欠航になっていることを考えればもう超ラッキーだ.

上の画像を見ればわかるが,20分遅れたせいで搭乗口BをJALの宮崎便と我らがジェッスター成田便が同じ時間に使う予定になってしまっている.
九州内で飛行機使うやつなんているのか,と思ったが,九州の鉄道網は海にそってぐるり一周がメインルートなので,福岡からちょうど対角線の位置にある宮崎は鉄道だと割りと時間がかかるらしい.
案の定,我らがジェッスター成田便が搭乗口をBからAに変更することになった.JAL様にはかなわないんだねー…

このターミナルは成田の第3ターミナルのようにLCC専用というわけではなく,JALも使えばANAも使い,ジェットスターのようなLCCも使っているらしい.
そういう事情もあってか,搭乗口から少し歩かされはしたものの,かつてエア・ドゥがそうだったようにリムジンバスで移動したりするようなことはなかった.
搭乗口を通って少し通路を歩き外に出て少し歩く.これが嫌な人はLCCを選べないのだろうが,個人的には飛行機のすぐ近くを歩くことができて楽しい.

というわけで,初・LCC搭乗.
いつぞやの帰省の帰り(往路は北斗星だった)はなぜかLCCを使わずANAを使ったがあの時のANAはやたらと安かった…何でなのか今となっては分からないが.

LCCは座席が狭いと聞いていて,どんなもんかと乗ってみたがまあ確かに狭い.
身長が170cmないチビな私でも足元はやや窮屈.荷物は出来る限り上の棚に入れて足元は広く使えるようにしたほうがいいかもしれない.
横幅はそんなに気にならないが,通路側を選んだのと,隣がスリムなおにーさんだったからだろう.ふくよかな奴が隣だったらどうなるかはわからない.

搭乗してからもやや時間がかかったが,夕暮れの福岡空港を滑走し離陸.
窓からは福岡の明かりが見える.思えば日没後に飛行機にのるのははじめてかもしれない.今まで乗ったのはいつも昼間だったと思う.

さて,機内ではすることがないので成田到着後のことを考える.
一応青春18きっぷを使えばJRで横浜まで帰れるのだが,成田エクスプレスでさえ遅いと感じるのに,成田からちんたら鈍行で戻るのもあまり気が進まないし,時間的に本数も結構減っていると思う.
よって,話題の格安バスで東京駅まで行き,そこから再び18きっぷで横浜まで向かうことに決めた.

成田空港から東京駅の格安バスといえば「THEアクセス成田」だと思っていたのだが,「東京シャトル」というのもあるらしい.
どこで知ったかというと,ジェットスター機内でパンフレットがあったから.通常時1000円のところ,機内で前もって購入すると900円になるらしい.これはいい,ということで購入.

機内では当然スマホも使えないわけで,しまった文庫本のひとつでも持ってくればよかったと思ったが手遅れ.
やることもないのでボケーっとしながらこの夏の旅行を振り返っていた.
長野の旅といい今回の瀬戸内・九州の旅といい,今年はなかなか充実した夏だった…

東京シャトル 成田空港→東京駅八重洲口

GK512便は何事もなく着陸.今更だが512って…2^9だなあ…
と意味もなく2のべき乗に喜びを感じ,ついに関東に戻ってきてしまった.

気圧の変化に対応できなかった耳を気にしつつ,バス乗車券売り場で,機内で買った引換券とチケットを引き換え.
そのまま第3ターミナルすぐ外のバスのりばへ.

ここ第3ターミナルには昨年来たことがある
関東に遊びに来た母と妹が帰る時LCCを使うということで見送りにここまできた.
そのときはスカイライナーに乗ろうと日暮里駅に入ったところで北総線の人身事故発生,スカイライナー運休ということで京成本線の特急を案内されるも混雑しそうで敬遠,大急ぎで東京駅に戻り成田エクスプレスに乗ったというなかなかスリリングな思い出.
結局思ったより時間がなくなり,空港第2ビル駅で降りて第3ターミナルまでヒイヒイいいながら早歩きしたのだが,なんということはない,バスで来れば第3ターミナルの目の前で降りることができるようだ.
いいこと知ったなあ… 今後帰省でLCC使うことがあればバスを使うことにしよう.

バスはすっかり日も暮れた千葉県を快走.およそ1時間で東京駅八重洲口に到着.
地下街に入り八重洲口から18きっぷで入場し,東海道線ホームへ向かうと,ちょうどサンライズ瀬戸・出雲が出発していったところだった.
ちょうど2日前まさにここにいたのだなあ,と,2日前と変わらず発車を待つ東北新幹線を見上げながら,そう思った.

瀬戸内・九州の旅 完.

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